生きていない
生きていた証明も出来ないごうごうと綺麗な赤を見る。
あいつの情報が載った資料だ。
ごうごうと綺麗な青を見る。
あいつに行かせた任務の資料だ。
ごうごうと燃える赤と青を見る。
これは、一体何だっただろうか。
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私は、普通の術師だ。
突然だが、上層部に手配されていた任務が等級違いが過ぎるものだった話をさせてくれ。
Q私の級とは二、三級は離れているだろう呪霊と対峙する私の気持ちを答えよ。
Aあのくそ上司どもがよ!!
ちなみにそいつは術式を持っている呪霊で、その効果は『記憶が薄れる』と言うものらしいが全くと言っても良い程に実感が湧かない。
だが、こいつに私の攻撃が通ってない事だけは何となく理解出来た。
理解してしまったの方が近しいか……理解したくは無かった。
これがジリ貧というものなのだろうか。
そいつの腕が私を掴む。
そいつの顔がばかりと割れる。
そいつの口に放り込まれたら、死んでしまうのも仕方ない。
あぁでも、どうせならもっとマシな死に方が良かった……
男はそう思いながら、呪霊の口へと入って行った。